すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
 世間はようやくセリスを評価し始めた。
 僕は自分のことのように誇り高い気分だよ。

 これからは社交界で輝くセリスを、僕は全力で応援していく。
 だから、もう二度と、僕の夢にも出てこないでほしい。

 君の存在は最初からなかったんだ。
 そう思うことにするよ。


「まあ、おふたりはもうすぐご結婚されるのね」
「挙式はもちろん王都の大聖堂でなさるのかしら?」
「披露宴にはぜひ招いていただきたいわ」

 僕とセリスの結婚について話題が変わっていた。
 セリスは嬉しそうに彼女たちと話している。

「ええ。最高の結婚式にしようと思います。大好きな彼との一生の思い出ですもの」


 セリスが微笑みながら僕の腕をぎゅっと掴んだ。
 僕は彼女の背中に手をまわして、そっと抱き寄せる。

 セリスは自分が寄り添ったら僕にさりげなく抱き寄せてほしいと言っていた。
 だから、僕は彼女の望み通りにした。

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