Secret love.
「交際を隠すのが配慮…?」

「何さ。」

「いや、単純に隠す意味が分からないから。俺ならもう自分の彼女だからって簡単に周りに手を出させないようにするし、誰かに隠す様な付き合いをしたくないなと思っただけです。」

「太一の考えが全てじゃないでしょ?」

「それはそうですね。全然否定する気はないけど、先輩は不安じゃないのかなって思って。あんなにモテる上に交際を公表されないの。2人で話してるなら、俺の無駄な心配だとは思いますけど。」


太一の素直じゃないところが最後の一文に出ていた。心配だとはっきりと。

長い付き合いにもなるし、それなりに仲も良かったから、もしかしたら私の話を聞こうとしてくれたのかもしれない。


「太一…、大丈夫だよ。ちゃんと話し合えてる。」

「じゃあ、最近姫野が及川さんにちょっかいを頻繁に出してるの知ってます?」

「それは…、知ってるけど…。」

「この間一緒に会社を出て、カフェで何か話してたのも?」

「え?」


初めて聞く話に思わず耳を疑った。姫野さんと2人だったなんて、そんな話聞いたことが無い。太一は少し気まずそうな表情をして、私から顔を逸らす。


「言うべきか悩んだんですけど、先輩の耳には入れといた方が良い気がして。」

「…そっか、ありがとう。」


不安になる事は別にこれが初めてでは無かったけれど、結婚も後数か月と言う所で、またこんな不安が降ってくるとは予想もしていなかった。

別にカフェに入って話をしていたと言うだけだ。浮気とか、そんな話じゃない。何か仕方ない事があったのかもしれない。

そう言い聞かせて、気を落ち着かせた。きちんと、及川くんを信じているし、裏切る様な事はしないはずだ。
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