Secret love.
「先戻るね。このまま直で取引先行かなきゃならなくて。」
そう言って立ち上がる実季に少し焦る。私の方はまだ半分も食べ終わっていない。
「ん!もう!?」
「及川くんいるしゆっくり食べて戻りなよ。またね、優花。及川くんはまた後で。」
「またね新田さん。」
及川くんがひらひらと手を振ると、急に恥ずかしさが再度湧いてきて目の前の席を指す。
「前の席空いたから移動したら?」
「隣同士でもよくね?」
「熱々の高校生カップルじゃないんだから勘弁してよ…。」
「誰も見てないって。大丈夫。」
「そうかもだけど!」
隣同士で座るのもあまりないから落ち着かないし、距離が近いから心臓に悪い。会社のランチ中にこんなこと滅多にないから慣れないし。
及川くんは常に楽しそうにしているけれど、私は顔が熱くてドキドキ鳴る鼓動を鎮めるのに必死でそれどころではない。
「いいな、なんか。」
「…何が?」
「今までばれないようにいちゃつくのも楽しかったけどさ、もう隠さなくていいから堂々と一緒に通勤したり、こうやって何も気にせず一緒に飯食えんのも楽しいなって思って。」
「…それは…、私も嬉しいけど。」
「いろいろビビッてたから、振り回してごめんな。」
確かに全然問題なかったなんて言えないけれど、秘密の関係でときめかされたり楽しんでいたところは少なからず私にもあって、嫌なことばかりじゃなかった。
それに振り回される度に困って怒りたくもなるのに、結局振り回されるのも嫌ではなかったのだと思う。
そう言って立ち上がる実季に少し焦る。私の方はまだ半分も食べ終わっていない。
「ん!もう!?」
「及川くんいるしゆっくり食べて戻りなよ。またね、優花。及川くんはまた後で。」
「またね新田さん。」
及川くんがひらひらと手を振ると、急に恥ずかしさが再度湧いてきて目の前の席を指す。
「前の席空いたから移動したら?」
「隣同士でもよくね?」
「熱々の高校生カップルじゃないんだから勘弁してよ…。」
「誰も見てないって。大丈夫。」
「そうかもだけど!」
隣同士で座るのもあまりないから落ち着かないし、距離が近いから心臓に悪い。会社のランチ中にこんなこと滅多にないから慣れないし。
及川くんは常に楽しそうにしているけれど、私は顔が熱くてドキドキ鳴る鼓動を鎮めるのに必死でそれどころではない。
「いいな、なんか。」
「…何が?」
「今までばれないようにいちゃつくのも楽しかったけどさ、もう隠さなくていいから堂々と一緒に通勤したり、こうやって何も気にせず一緒に飯食えんのも楽しいなって思って。」
「…それは…、私も嬉しいけど。」
「いろいろビビッてたから、振り回してごめんな。」
確かに全然問題なかったなんて言えないけれど、秘密の関係でときめかされたり楽しんでいたところは少なからず私にもあって、嫌なことばかりじゃなかった。
それに振り回される度に困って怒りたくもなるのに、結局振り回されるのも嫌ではなかったのだと思う。