Excessive love.
 寝る準備をすべて済ませ、さっそく直樹さんの部屋のドアをノックした。

 中から「どうぞ」と落ち着いた声が聞こえてきて、そっとドアを開ける。直樹さんはベッドのヘッドボードに寄りかかって、本を読んでいた。

 私が部屋に入ると、彼は本を閉じてサイドチェストの上に置き、掛布団を少し除けて「おいで」と隣のスペースをぽんぽんと叩いた。


「…失礼します」


 緊張しながら隣に潜り込むと、直樹さんは部屋の明かりを落として一緒に横になった。それから、ごく自然な動作で私を抱き寄せ、腕枕をしてくれる。


「緊張してる?」

「してま…、る」

「してまる?」


 思わずまだ敬語で話そうとしたのを必死に修正しようとした私の返事に、直樹さんが可笑しそうに声を出して笑った。

 ただでさえ恥ずかしい状況なのに。敬語を抜こうと意識しすぎるあまり、語尾が迷子になってしまった。


「…少しだけ、言ってもいい?」

「うん?」

「君の事は信用しているから、本当に単なる俺の子供みたいな発言だと思って聞いてほしいんだけど」


 腕の中に収まったまま見上げると、直樹さんはどこか言いづらそうに視線を彷徨わせていた。

 いつも自分の意志をはっきり口にする彼が、こんなふうに言葉を濁すなんて珍しい。
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