Excessive love.
「及川と君の仲良さそうな所に羨ましいなと思ったんだ」

「及川くん…?」

「そう。君と及川は同期だし、ずっと仲良かったから仕方ないのは分かるんだけど、それでもやっぱり、あいつへの方が君の素を出せているんじゃないかなと思うと悔しかった」


 落ち着いたトーンではあったけれど、その声にはわずかな不安が混じっているような気がした。

 私にしてみれば、及川くんとはただ子供のような言い合いをしているだけなのに、そんなふうに思われていたなんて、これっぽっちも気付かなかった。

 私にとっては親友の恋人であり、恋愛に発展する可能性なんて万に一つもあり得ないけれど、直樹さんはその事実を知らない。だからこそ不安になり、嫉妬を抱くのも当然のことなのかもしれない。


「やめてほしいとか…、そういうのは俺に言う権利も無いし、二人の関係を壊したい訳じゃない。だけど、もう少し君との距離を近付けたいと思って、ため口で話してなんて我儘を言ったんだ」


 真剣に告白してくれる姿を見ていると、その理由がどれも可愛すぎて胸が苦しい。

 今、私がすべきなのは悶えることじゃなくて、彼を安心させること。
 そう分かってはいるのに、愛おしさがこみあげてきてどうしようもなかった。


「…聞いてる?」

「聞いてます。ただ、直樹さんが可愛くて…」

「笑うなよ。真剣なんだから」


 少しだけむくれたように不満を漏らす直樹さんも、今の私にはただただ愛おしい。

 さっきまであんなに頼りがいがあって格好良かったのに、どうして急にそんなにも可愛くなれてしまうのだろう。
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