Excessive love.
「話って?」
廊下を通る人には、声を潜めれば聞こえない程度の距離を保ち、私は隆太に問いかけた。
相変わらず彼の表情は沈んだままで、嫌な予感だけが募っていく。
「実は、見ちゃったんだよね」
「見ちゃった?」
「あみと朝倉さんが抱き合ってるところ」
「…え?」
「その証拠写真も一応取ってきたんだけど…」
そう言いながらスマホを取り出そうとする隆太の動きに、心臓が嫌な音を立てていた。
抱き合っていた? どんなふうに、どこで?
次々と疑問が浮かぶのと同時に、反射的に見たくないという拒絶反応が突き上げた。私は咄嗟に隆太の手を制し、スマートフォンの画面を遮る。
「やめて」
何か事情があったはずだ、と頭では考えようとした。だけど、その状況を言葉で聞くだけでも、あの時のトラウマが鮮明に蘇る。
自信が足元から崩れ、私のような可愛げのない女よりも、愛嬌のある女の方が選ばれるのだと突きつけられた、あの惨めな感覚。
直樹さんは、恋人になる前からずっと誠実でいてくれた。信じたい。だけど、もし写真という証拠を目にしてしまったら、その信頼が崩れ落ちてしまいそうで怖かった。
「でも…、見ておいた方が良いと思うんだ」
「見ない」
「実季」
「しつこい! 見ないったら見ない!」
思わず怒鳴ってしまった声が、静かな廊下に響き渡る。
たまたま通りかかった人が、驚いたようにこちらを振り返った。
こんなふうに感情を剥き出しにする時点で、私はすでに不安に押しつぶされそうなのだと思う。
信じていると言い聞かせながら、心のどこかでもしかしたら…と疑ってしまっている自分がいる、その事実を受け入れたくもなかった。
廊下を通る人には、声を潜めれば聞こえない程度の距離を保ち、私は隆太に問いかけた。
相変わらず彼の表情は沈んだままで、嫌な予感だけが募っていく。
「実は、見ちゃったんだよね」
「見ちゃった?」
「あみと朝倉さんが抱き合ってるところ」
「…え?」
「その証拠写真も一応取ってきたんだけど…」
そう言いながらスマホを取り出そうとする隆太の動きに、心臓が嫌な音を立てていた。
抱き合っていた? どんなふうに、どこで?
次々と疑問が浮かぶのと同時に、反射的に見たくないという拒絶反応が突き上げた。私は咄嗟に隆太の手を制し、スマートフォンの画面を遮る。
「やめて」
何か事情があったはずだ、と頭では考えようとした。だけど、その状況を言葉で聞くだけでも、あの時のトラウマが鮮明に蘇る。
自信が足元から崩れ、私のような可愛げのない女よりも、愛嬌のある女の方が選ばれるのだと突きつけられた、あの惨めな感覚。
直樹さんは、恋人になる前からずっと誠実でいてくれた。信じたい。だけど、もし写真という証拠を目にしてしまったら、その信頼が崩れ落ちてしまいそうで怖かった。
「でも…、見ておいた方が良いと思うんだ」
「見ない」
「実季」
「しつこい! 見ないったら見ない!」
思わず怒鳴ってしまった声が、静かな廊下に響き渡る。
たまたま通りかかった人が、驚いたようにこちらを振り返った。
こんなふうに感情を剥き出しにする時点で、私はすでに不安に押しつぶされそうなのだと思う。
信じていると言い聞かせながら、心のどこかでもしかしたら…と疑ってしまっている自分がいる、その事実を受け入れたくもなかった。