Excessive love.
「…そっか。証拠もあるなんて言われたら余計不安煽られちゃうよね」

「今は…、何となく直樹さんの顔を見れる気がしなくて、どうしようかと思ってたところ。少しだけ冷静になる時間が欲しくて…」

「聞かないの? 姫野さんと抱き合ってたこと」

「良い気しないでしょ。そんなの聞かれて」

「それはそうかもしれないけど…。聞いた方が良い事もあると思うな」

「良いの。信じてるし、不誠実な事だけはしないって」


 そう言って、私は温かくなったココアを口に運んだ。

 この話は、もうこれで終わりにしたい。

 優花は少し納得がいかなそうな表情を浮かべたけれど、「そっか」と小さく微笑んで、それ以上は踏み込んでこなかった。

 周りから見れば、単なる現実逃避に映るのかもしれない。だけど、直樹さんが自分から話さないのであれば、それは心配するに及ばないことなのだと、自分に言い聞かせることにした。


「直樹さんに会いたくなっちゃった。帰るね。忙しい時に話を聞いてくれてありがとう!」

「…本当に大丈夫?」

「大丈夫! 泣いたら少しすっきりしたみたい。優花に沢山笑わせてもらったしね」

「笑わせたつもりはないんですけどね?」


 不本意そうな顔をする優花に少しだけ笑って、それから軽い雑談を交わして彼女の家を後にした。

 胸の中に残るこのわずかな不安も、直樹さんに強く抱きしめてもらえば、きっとすべて溶けてなくなる気がする。
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