Excessive love.
玄関のドアを開けて下に視線を向けると、既に直樹さんの靴があった。

その後奥から私服に着替えた直樹さんがこちらに慌てた様子で来て、少し驚く。


「あれ、直樹さん…?どこかに出かけるの?」

「…いや、中々帰って来ないから…、探しに行こうかと思って…。」


そう言って私の方に寄ってくると肩を掴んで、顔を覗き込んでくると心配そうな表情で「何かあった?」と問い掛けてくる。

連絡すればよかったのに何もしなかったせいで余計な心配をかけてしまった。連絡しろと怒られても仕方ないのに、怒らずに心配をしてくれる。

今まで帰りが遅くなれば、遅くなるならご飯買ってきたのに連絡しろとか、そんな風に言われてきたからそれが普通だとも思っていた。


「ちょっと優花と話し込んじゃって。ご飯とか、待ったよね?ごめんね。」

「そんなのどうだっていいよ。帰ってるはずなのに家に居なくて、待っても帰って来ないから、事故にあったんじゃないかって心配した。」


そう言いながら優しく抱き寄せてきた。引き寄せる時は優しかったのに、抱きしめる力は強く、それがどれほど心配をかけてしまったのか伝わって来た。


「ごめんね。」

「何も無くて良かった。でも、今度は一言入れて。」

「そうする。ごめん。」

「何度も謝らなくて良いから…。ご飯は?食べてきた?お腹減ってない?」


そう言って身体を離すと、再度顔を合わせて話してくれた。

何も言わなくても普段からこんなに優しい人で、大事に思っている事を全身で伝えてくれている。


「まだ食べてないよ。」


そう返事をした後、直樹さんは私の顔をじっと見ていて、優しく目元に触れる。
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