Excessive love.
直樹さんが真っ白だったとその事だけでも分かったのは救いだったけど、私のせいで迷惑を掛ける状況になってしまったことが苦しかった。

スマートフォンの右上に視線をやると休憩終了の時刻が迫っている。

ひとまずオフィスへ戻らないと…、と、お手洗いを出た。ずっと考え事をしていて、そこからどうやってオフィスに戻ったのかは覚えていない。

いつ席に着いて、今何の仕事をしていたのかも。


「─────…だ、さん。新田さん!」


その声でハッとすると後ろの席の事務担当がかなり大きな声で、私の名前を呼んでいた。


「…え?」

「3番外線入ってますって。株式会社 アシストさんから。」

「あ…、すみません。」


ボーっとしてしまって慌てて外線を取ろうとすると、3番の外線の点滅ボタンが消えた。


「大変お待たせしております。申し訳ございません。ただいま新田は外出しておりまして。(わたくし)でもよろしければお話お伺いしてもよろしいでしょうか。それとも、明日以降新田から改めてお電話させて頂いても…?」


その声の方向を見ると及川くんが既に受話器を取っている。声を掛けてきていた事務の人は軽く首を傾げた後、業務に戻っていく。


「かしこまりました。明日必ず新田の方からお電話差し上げますので。…はい、失礼いたします。」


そう言って数秒後受話器を置いていた。


「…ごめん、及川くん。」

「珍しいじゃん。体調でも悪いわけ?そもそも顔色良くないし。」


及川くんのフォローが無ければ今頃電話対応は酷い事になっていたと思う。社会人として情けない。
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