Excessive love.
当然、予定していた仕事が終わるはずもなく、二十二時を過ぎても私は一人オフィスに残っていた。
あと一時間もあれば終わりそうだと、ようやく目処が立ち、デスクの上のスマートフォンに目をやった。画面がぼうっと光り、通知欄には直樹さんからの連絡が表示されている。
メッセージの詳細は開かなければ分からないけれど、今の私には彼とどう言葉を交わすのが正解なのか分からなかったから、メッセージを開けなかった。
仕事に必死で気づかなかったという体裁で、もう少しだけ返信を先延ばしにしよう、と自分に言い聞かせ、スマートフォンを裏返し、再びキーボードに指を置いた。
今の私には、別れるという選択肢しか残されていない。それは頭では痛いほど分かっている。
だけど、ようやく手にしたこの関係をどうしても手放したくないという思いが強すぎて、決意はすぐに揺らいでしまいそうだった。
どうして、大好きでたまらない人に自分から別れを告げなければならないのか、という理不尽さに悔しさだけが募っていた。だけど、私の存在が彼のキャリアを潰すわけにもいかない。そんなことも理解していた。
どれほど思考を巡らせても、導き出される答えは変わらなかった。
静寂の中、突如として外線のベルが鳴り響く。
こんな時間に電話が鳴ることなど滅多にないから、社内の誰かだろうと思い、私は受話器を手に取った。
「お電話ありがとうございます。…─────」
念のためマニュアル通りの挨拶を口にすると『あ、やっぱりまだ会社だったか』という声が返ってきた。
機械を通した響きでもすぐに分かった。
聞きなれた、愛おしい人の声だと。
あと一時間もあれば終わりそうだと、ようやく目処が立ち、デスクの上のスマートフォンに目をやった。画面がぼうっと光り、通知欄には直樹さんからの連絡が表示されている。
メッセージの詳細は開かなければ分からないけれど、今の私には彼とどう言葉を交わすのが正解なのか分からなかったから、メッセージを開けなかった。
仕事に必死で気づかなかったという体裁で、もう少しだけ返信を先延ばしにしよう、と自分に言い聞かせ、スマートフォンを裏返し、再びキーボードに指を置いた。
今の私には、別れるという選択肢しか残されていない。それは頭では痛いほど分かっている。
だけど、ようやく手にしたこの関係をどうしても手放したくないという思いが強すぎて、決意はすぐに揺らいでしまいそうだった。
どうして、大好きでたまらない人に自分から別れを告げなければならないのか、という理不尽さに悔しさだけが募っていた。だけど、私の存在が彼のキャリアを潰すわけにもいかない。そんなことも理解していた。
どれほど思考を巡らせても、導き出される答えは変わらなかった。
静寂の中、突如として外線のベルが鳴り響く。
こんな時間に電話が鳴ることなど滅多にないから、社内の誰かだろうと思い、私は受話器を手に取った。
「お電話ありがとうございます。…─────」
念のためマニュアル通りの挨拶を口にすると『あ、やっぱりまだ会社だったか』という声が返ってきた。
機械を通した響きでもすぐに分かった。
聞きなれた、愛おしい人の声だと。