Excessive love.
◝✩


 映画を観終えたあと、私たちは落ち着いた雰囲気のダイニング&バーで夕食を共にしていた。ほどよく落とされた照明が心地よく、会話も弾む。お酒も料理も文句なしに美味しくて、心から満足できる一日になった。


「今日早く帰るって言って驚かれなかった?」

「珍しいとは言われたかな。後、実季も休んでたからデートですか?ってからかわれた」

「及川くん?」

「そう」


 相変わらずな彼を想像して、思わず笑みがこぼれる。少し子供っぽくて悪戯好きなところがあるけれど、本当は誰よりも周囲をよく見ていて、さりげないフォローが抜群に上手い。いざという時の考え方は周りよりもずっと大人だし、頭の回転も速い。

 だからこそ、どんなに子供みたいな態度をとっていても、彼は同僚達からも頼りにされているのだと思う。


「及川ってさ…」

「ん?」

「絶対経理の川﨑さんのこと好きだよな」

「んー…」


 答えづらい質問を振られ、私は苦笑いを浮かべた。

 及川くんのあのあからさまな態度。勘のいい直樹さんでなくとも、何人かにバレていたところで少しも不思議ではない。

 だけど、私から真相を明かすわけにはいかない。
 好きどころか両想いで交際してますよーなんて。


「大学の同期だからめちゃくちゃ仲はいいみたい。同じ学部で同じグループだったから話す機会も多かったんですって」

「そこまで来たらもう付き合うとかじゃないのかな…、恋愛って難しいな…」


 いえ、もう付き合ってます。とは、口が裂けても言えない。
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