Excessive love.
 カフェの隅の席。先に着いて待っていた私を見つけると、優花はいつもの明るい笑顔を見せた。だけど、近付くにつれて私の様子に気づいたのか、その表情がみるみる硬くなっていく。


「お待たせ…?」

「優花、急に呼び出してごめん」

「全然、どうかした?」


 彼女は私の向かいに腰を下ろすと、心配そうに私の顔を見ていた。心配かけたくないという気持ちはあったけれど、私は迷いを断ち切るように、本題を切り出した。


「…隆太、浮気してたんだよね」

「え!?」


 絶句する優花に、先ほど起きた出来事を淡々と説明した。誰かに言いふらしたいわけじゃなかったけれど、この胸に溜まった重たい感情は、誰かに吐き出さなければ、すぐに自分が崩れそうだった。

 弱音を吐かない私が、隆太はきっと面白くなかったと思う。

 話し終えると、優花は私以上に痛みを堪えるような、辛そうな顔をしていた。


「辛かった…、よね?」

「確かにしんどいけど、覚悟してたし、そりゃ若くて可愛い子の方が良いよなとか思ったら自分に非がある様にも感じてきて」


 ぽつりと漏らした本音。浮気される側にも原因がある、とそんな世間の言葉が、頭をかすめる。

 優花は机を叩かんばかりの勢いで、すごい形相をしていた。


「そんなわけないでしょ! 何があろうと浮気する男が悪いに決まってる!」


 迷いのない、力強い言い方で、彼の不誠実さを否定してくれたことに、この時すごく安堵した。

 どんな理由があろうと、不誠実を選んだのは彼で、認められるべきことじゃない。優花のはっきりとした怒りに触れて、ようやく私は、自分が深く傷ついていたことを認められた気がした。
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