Excessive love.
「何かこれ作ってみたいと思う料理ありますか?」

「この間夜に肉じゃが作ってくれただろ? 俺も作ってみたい」

「じゃあ、そうしますか」

「美味かったのもあるけど、量多いなと思ってたら次の日の晩にコロッケになったのも衝撃で…、天才…?」

「いやいや、そんな…」


 リメイク料理に驚いた挙げ句、大真面目な顔で「天才…?」と褒めちぎるなんて、可愛すぎませんか。

 こんなに毎日「美味しい」と喜んで食べてくれるなら、こちらとしても作り甲斐がある。

 その日の晩。私達はさっそく食材を並べ、二人でキッチンに立った。


「どうしましょ。レシピ見て作ってみますか?」

「いや、新田の作り方でいいよ。覚えたいし」

「わかりました。じゃあ、私他の料理作りながら見てるので、まずジャガイモの皮むきしてみましょ」

「皮むきは…」


 迷わず包丁を手に取ろうとする朝倉さんに、私は慌ててその横にあったピーラーを手に取り、差し出した。


「最初はこっちでも大丈夫ですよ。楽ですし手を切るリスクがまだ少ないので」

「なるほど…? 使ったこと無いな」

「この横に出っ張ってる部分で、もし芽が出てたら取るんです」


 器具の基本的な使い方から説明すると、朝倉さんは教えた通りに慎重に皮を剥き始めた。

 私は自分の下準備を進めながらも、目が離せない。

 子供の料理を見守る母親の気持ちってこんな感じなのかもしれない。
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