Excessive love.
 宴会がスタートし、喧騒に包まれる会場。

 営業部のテーブルへ向かうと、朝倉さんの隣に座っていた及川くんが、私を見つけるなり笑って手招きした。


「何?」

「朝倉さんの反対側空いてるから座ったら?」

「…揶揄ってる?」

「まさか。人聞きの悪い事言わないでよ」

「顔にやけてるわよ」


 そう言うと及川くんはさらに楽しそうに笑ったけれど、確かに他に座る場所も空いていない。私は朝倉さんに「隣、良いですか?」と断りを入れてから、その席に腰を下ろした。

 及川くんがどういう意図で私たちを近づけているのか、正直読みきれない。朝倉さんが私とのことを彼に話すはずもないし、ただの面白半分でこんなことをしたのか、彼なりに思っていることがあるのか。

 それからしばらくは、お酌に回りながら、合間に朝倉さんや及川くんと当たり障りのない会話をして時間を過ごした。宴も中盤に差し掛かり、周囲は食事を終えて自由に動き出している。

 優花の席へ行こうと腰を浮かせかけたけれど、営業部のテーブルは思った以上に盛り上がってしまっていて、抜け出せる雰囲気ではない。

 そのため「席を空けられそうにない、ごめん」と優花にメッセージを送っておく。

 ふと及川くんの方を見ると、いつの間にか隣を姫野さんがキープしていた。優花からすれば、はらわたが煮えくり返るような光景だと思う。私から見ても決して気分の良いものではなかった。

 一方で、経理課のテーブルで飲んでいる隆太は、もう私を気にしているのか、それとも及川くんの隣にいる姫野さんを気にしているのか、理解が出来ないが明らか何か気にしている様子だった。
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