Excessive love.
朝倉さんが離れて十分ほど経つのを待って、周囲に誰もいないことを確認してから彼の部屋のドアをノックした。すると、すぐにドアが開き、朝倉さんが「どうぞ」と私を中に通してくれた。
「お邪魔します」と控えめに足を踏み入れると、役職付きの社員に割り当てられた部屋は、私達の部屋よりもいくらか広く、窓から見える夜の景色もどこか特別に感じられた。
朝倉さんは部屋を暗くしていたようで、私が入るなりすぐに壁のスイッチで明かりを点ける。
「月明かりが綺麗だったから、部屋暗くして見てた」
「そうだったんですね。私邪魔しました?」
「いやいや、誘ったのは俺だから気にしなくて良い」
そう言って優しく笑うと、彼は冷蔵庫から数本の缶ビールを取り出した。
「飲む?」
「いただきます」
「さっき売店で買っておいたんだ」
テーブルに缶を置くと、そのうちの一本を私に手渡してくれる。缶のタブを引き開ける小気味いい音が、静かな部屋に響く。私達は軽く缶をぶつけ合ってから、一口、冷えた液体を喉に流し込んだ。
けれど、正直に言えば今は緊張のあまり、お酒の味なんて全くしなかった。
「さっき俺が好きだとか勝手な事を言ったけど、君に許可も取らずに悪かったなって反省していて」
「あ…、いえ。そんなことは、むしろ朝倉さんにお気を遣わせたことが申し訳ないです」
「そこは全然気にしなくて良いよ」
そう言って私を見つめる朝倉さんの瞳は、どこまでも穏やかで、柔らかい。
必死に心の蓋を閉じていても、その笑顔一つで簡単にこじ開けられそうになるから、少し怖かった。
「お邪魔します」と控えめに足を踏み入れると、役職付きの社員に割り当てられた部屋は、私達の部屋よりもいくらか広く、窓から見える夜の景色もどこか特別に感じられた。
朝倉さんは部屋を暗くしていたようで、私が入るなりすぐに壁のスイッチで明かりを点ける。
「月明かりが綺麗だったから、部屋暗くして見てた」
「そうだったんですね。私邪魔しました?」
「いやいや、誘ったのは俺だから気にしなくて良い」
そう言って優しく笑うと、彼は冷蔵庫から数本の缶ビールを取り出した。
「飲む?」
「いただきます」
「さっき売店で買っておいたんだ」
テーブルに缶を置くと、そのうちの一本を私に手渡してくれる。缶のタブを引き開ける小気味いい音が、静かな部屋に響く。私達は軽く缶をぶつけ合ってから、一口、冷えた液体を喉に流し込んだ。
けれど、正直に言えば今は緊張のあまり、お酒の味なんて全くしなかった。
「さっき俺が好きだとか勝手な事を言ったけど、君に許可も取らずに悪かったなって反省していて」
「あ…、いえ。そんなことは、むしろ朝倉さんにお気を遣わせたことが申し訳ないです」
「そこは全然気にしなくて良いよ」
そう言って私を見つめる朝倉さんの瞳は、どこまでも穏やかで、柔らかい。
必死に心の蓋を閉じていても、その笑顔一つで簡単にこじ開けられそうになるから、少し怖かった。