Excessive love.
仕事が終わるなり真っ直ぐカフェに向かおうとしたところだった。オフィスを出てすぐ、廊下の向こうから朝倉さんが歩いて来るのが見えた。
「お疲れ、今帰り?」
「はい、朝倉さんもお疲れ様です」
「一緒に帰るか。俺も今日はもう帰れそうなんだ」
朝倉さんのせっかくの誘いなのに、この後の予定があって受けるわけにはいかない。「あー…」と言葉を濁す私を見て、朝倉さんは首を傾げた。
「何か予定あった?」
「…すみません。今日は…、予定を入れてしまって」
「…何かあった? 行きたくなさそうだけど」
態度に出したつもりはないのに、行きたくないという本音を言い当てた朝倉さんに少し驚いた。実際、姫野さんに会うのは気が進まない。
相変わらず人のことをよく見ている人だと、改めて感心してしまう。
少し心配そうな表情でこちらを見つめる彼を、このまま何も言わずに行かせるのも余計な懸念を抱かせる気がして、私は正直に話すことにした。
「…実は、姫野さんに相談があると言われていて…。その、加藤くんの事で」
「姫野が? 何で彼女が君に相談なんてするんだ」
「分からないです。でも、何を考えているのか知っておいた方が良い気がして…。これ以上振り回されるのもごめんですし、終わらせたいので」
「行くな」
「え?」
朝倉さんの、珍しく強い口調に心臓が跳ねた。
普段は優しく穏やかな言葉を選ぶこの人が、こんなにはっきりと、命令口調で何かを言うことなんて、今まで一度も無かったから。
「お疲れ、今帰り?」
「はい、朝倉さんもお疲れ様です」
「一緒に帰るか。俺も今日はもう帰れそうなんだ」
朝倉さんのせっかくの誘いなのに、この後の予定があって受けるわけにはいかない。「あー…」と言葉を濁す私を見て、朝倉さんは首を傾げた。
「何か予定あった?」
「…すみません。今日は…、予定を入れてしまって」
「…何かあった? 行きたくなさそうだけど」
態度に出したつもりはないのに、行きたくないという本音を言い当てた朝倉さんに少し驚いた。実際、姫野さんに会うのは気が進まない。
相変わらず人のことをよく見ている人だと、改めて感心してしまう。
少し心配そうな表情でこちらを見つめる彼を、このまま何も言わずに行かせるのも余計な懸念を抱かせる気がして、私は正直に話すことにした。
「…実は、姫野さんに相談があると言われていて…。その、加藤くんの事で」
「姫野が? 何で彼女が君に相談なんてするんだ」
「分からないです。でも、何を考えているのか知っておいた方が良い気がして…。これ以上振り回されるのもごめんですし、終わらせたいので」
「行くな」
「え?」
朝倉さんの、珍しく強い口調に心臓が跳ねた。
普段は優しく穏やかな言葉を選ぶこの人が、こんなにはっきりと、命令口調で何かを言うことなんて、今まで一度も無かったから。