Excessive love.
 彼のことはもう信用すらしていないけれど、自分がしたことの責任を他人に押し付けるような真似はしない。


「そそのかしたのはお前だとか、すごく酷い事を言われていて…。とにかく今もりゅうくんは、今も先輩が好きで縒りを戻したがってます」

「何を言いたいのか分からないけど、私ならきちんとした事実を伝える時、元彼女を煽る様な親しい呼び方はしないかな。りゅうくんだなんて…」


 話を聞いて確信した。きっと彼女は、私の恋人でなくなった隆太にはもう関わる価値がないと判断したのだ。

 元々は私の恋人に手を出して、こちらが怒り狂い、取り乱す姿を見たかっただけなのかもしれない。

 ここまでされるほど彼女に何かをした覚えはないけれど、これまでの行動を見れば、彼女が私に対して敵意しか抱いていないことは十分に伝わってきた。


「それと隆太が縒りを戻したがってるから姫野さんに何の関係があるの?縒りを戻させてやっぱりって言ってまた奪う?それとも今度の狙いは朝倉さん?」

「先輩…、酷いです。私…、そんなつもりなくて…」

「もうそのか弱いキャラは私には通用しないから。そもそも隆太は貴方を責めるなんてしないと思うわ。あなたと違って自分がしたことくらいはちゃんと理解しているでしょうから」


 そう言って腕時計に目を落とすと、始業の時間がすぐそこまで迫っていた。

 泣きそうな顔で立ち尽くす彼女に声を掛けることもなく、背を向けてオフィスに戻る。これ以上場を搔き乱したいのかは知らないけれど、今の私にとって、彼女はもう相手にする価値さえない存在だった。
< 69 / 142 >

この作品をシェア

pagetop