Excessive love.
「でも…、本当に私で良いんでしょうか…。私に感情を教えるとか、そんなこと…」

「新田以外にこんな感情にならないんだから、新田じゃなきゃ意味が無いだろ」


 はっきりそう言い切られてしまうと、もう何も言えない。

 新田以外にこんな感情にならないという言葉だけでも、途方もなく特別な意味があるような気がして、胸が浮き足立ってしまいそうになる。

 おずおずと朝倉さんと目を合わせると「嫌?」と、優しい声色で問い掛けられた。

 その問いに、ただ小さく首を横に振って応えるのが精いっぱいだった。


「じゃあ、もう少しここに居てくれる?」

「…むしろ、こちらこそお願いします」

「そっか、良かった。じゃあ、やっぱり同棲中のルール付けないとだな」

「ルール、ですか?」


 ここに来た時、ルールは特にないと言われていた。家のことをする時も、何を相談しても「好きにしていいよ」と尊重してくれていたし、これまでかなりのびのびと過ごさせてもらってきた。


「そう。言っただろ。恋人らしく過ごしたいって」

「それは…、そうですけど…」

「まず、朝倉さん呼びはやめよう。恋人同士で家で苗字呼びは変だろ?」

「ええ!そんな急に…!」

「できるよ。慣れるまでの辛抱だし。俺も、呼び方を変えてみるから」


 それはそれで問題があるのですが…、とは、言えなかった。ときめき過多になるのでやめてくださいなんて、言えるはずがない。
< 74 / 142 >

この作品をシェア

pagetop