Excessive love.
 次の出勤日の朝。いつもより少し早く目が覚めた私は、朝食の支度を早めに進めながら、ふとお弁当を作ってみようかと思い立った。

 これまではお節介で迷惑かもと遠慮して作らずにいたけれど、最近、朝も夜も本当に嬉しそうに食べてくれる直樹さんの顔を思い出し、お弁当も、もしかしたら喜んでくれるのではないかと思った。

 もし要らないと言われたら自分で食べればいいと自分に言い聞かせ、腕を振るうことに決めた。

 元々料理は嫌いではなかったけれど、最近は「美味しい」と惜しみなく言葉にしてくれる朝倉さんのおかげで、モチベーションはかつてないほどに上がっていた。

 お弁当を作り終え、朝食の準備に取り掛かっている頃、直樹さんがいつも通りの時間に起きてきた。リビングへ入ってきた彼と、ふいに視線が重なる。


「おはようございます。直樹さん」

「おはよう、実季」


 優しく笑みを浮かべて挨拶を返してくれると、直樹さんはそのまま洗面所の方へと向かって行った。

 名前呼びにはいまだに慣れず、口にするたびにくすぐったいような恥ずかしさを感じる。だけど、私が呼ぶと彼は少しだけ嬉しそうに目を細めるから、その表情を見るたびに、私の方まで嬉しくなる。

 いつも通り共に朝食を囲み、手際よく仕事の準備を済ませ、私たちは一緒に家を出ようとした。
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