Excessive love.
お寿司屋さんでの食事を終えて店を出ると、夜の涼しい風が頬を撫でた。
直樹さんが足を止め、こちらを振り返る。
「この後どうする? 帰るか、行きつけのバーがあるんだけど、そこに行くか」
「直樹さんは飲み足りてますか?」
「正直まだ足りてはないな」
「じゃあ、お付き合いします」
「マスターが驚くかも。いつも一人だから、こんな綺麗な女性と一緒に行ったら」
「えっ…」
「行こうか」
不意打ちの言葉に言葉を失っていると「行こうか」と短く告げた直樹さんの手が、自然に私の手を取った。
何が起きたのか、すぐには理解が追いつかない。「綺麗だ」と言われたばかりで、さらに手まで繋がれている。これではまるで口説かれているのではないかと、甘い錯覚に陥りそうになる。
ただの社交辞令か、あるいはお酒の勢いに決まっているのに、繋がれた手のひらから熱が伝わってきて、どうしようもなく顔が熱くなる。
直樹さんを盗み見ると、彼はいつも通り涼しい顔をしていた。家では時折、照れたような幼い表情を見せることもあるけれど、外での彼はどこまでもスマートだと思う。
それなりに恋愛は経験してきたつもりだったけれど。手を繋ぐという、ただそれだけのことが、直樹さん相手だとこれまでの経験なんて何の意味も持たなくなるほど、余裕がなくなる。
直樹さんが足を止め、こちらを振り返る。
「この後どうする? 帰るか、行きつけのバーがあるんだけど、そこに行くか」
「直樹さんは飲み足りてますか?」
「正直まだ足りてはないな」
「じゃあ、お付き合いします」
「マスターが驚くかも。いつも一人だから、こんな綺麗な女性と一緒に行ったら」
「えっ…」
「行こうか」
不意打ちの言葉に言葉を失っていると「行こうか」と短く告げた直樹さんの手が、自然に私の手を取った。
何が起きたのか、すぐには理解が追いつかない。「綺麗だ」と言われたばかりで、さらに手まで繋がれている。これではまるで口説かれているのではないかと、甘い錯覚に陥りそうになる。
ただの社交辞令か、あるいはお酒の勢いに決まっているのに、繋がれた手のひらから熱が伝わってきて、どうしようもなく顔が熱くなる。
直樹さんを盗み見ると、彼はいつも通り涼しい顔をしていた。家では時折、照れたような幼い表情を見せることもあるけれど、外での彼はどこまでもスマートだと思う。
それなりに恋愛は経験してきたつもりだったけれど。手を繋ぐという、ただそれだけのことが、直樹さん相手だとこれまでの経験なんて何の意味も持たなくなるほど、余裕がなくなる。