Excessive love.
「遠回しな話とか、口説いたりとか、そう言うの苦手だから気の利いた言葉は何も言えないけど…、聞いてくれる?」


 こんなに緊張するのはいつ以来だろう。私は息を呑み、直樹さんの言葉を待って頷いた。

 彼は真剣な眼差しで私を見つめている。
 その瞳に射抜かれたように、目が離せなくなった。

 直樹さんが、テーブルに置かれた私の手をそっと握りしめ「君に惹かれてる」と迷いのない、真っ直ぐな言葉が届いた。

 その言葉を聞いた瞬間に目を見開く。


「え…、本当に? だって、まだ恋か分からないって…」

「こんなに誰かの事をいつも考えてしまうのも、守りたくなるのも君以外に居なくて、君だからなんだなってようやく気付いた」


 その言葉に、視界がじんわりと熱くなる。

 私には釣り合わない人だと思い込んでいたし、まさか好きになってもらえるなんて夢にも思わなかった。私も好きだと伝えたいのに、込み上げる感情に喉が震えて、上手く言葉が出てこない。


「これからは俺が君を幸せにしたい」

「…はい。こちらこそ、お願いします」


絞り出すように返した私の声を聞いた瞬間、彼は「よかった…」と、少しはにかむように笑った。

 さっきまであんなに格好良く言い切ってくれたのに、このギャップがたまらなく愛おしい。


「…私も、ずっと直樹さんが好きです」

「え、本当に? 全然気付かなかった」

「脈が無いと思っていたので…」

「君は素敵な人だから、近くに居たら誰だって惹かれるよ」


 今度の恋人は、底をついていた私の自己肯定感までも引き上げてくれるらしい。

 嘘なんて吐くはずのない彼だから、これが本心だと痛いほど伝わってくる。だけど、あまりの甘さにどう応えればいいのか分からず、ただただ戸惑ってしまう。

 私は慣れていないのだ、この甘さに。
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