Excessive love.
今夜初めて一緒の部屋で過ごすのだけど、もちろん部屋に来た時点で一緒に寝るだけで済まないことも分かっている。もう子供でもないし、仮に交際していなかったとしても、こんな風に誘われたら私はきっと断らなかったと思う。

少し上に顔がある直樹さんの顔を見るために、見上げると直樹さんも同様にこちらを見ていて少し見つめあうと、少し照れ臭そうに笑いを零して「可愛いな。上目遣い。」と額に優しく口付けを零す。


「さ、まだ俺にも大人の余裕が残っている内にシャワーを浴びといで。」

「先頂いてもいいんですか?」

「いいよ。夜更かしは慣れてるから起きて待ってられると思うし。テレビでも見ながら待ってる。」


朝倉さんのその言葉を聞いて「じゃあ…、」と洗面所に向かった。中には必要なものはすべて揃っていた。

鞄の中にはメイクが落ちた時の為にと入れてあるし、帰る時もすっぴんのみっともない姿では帰らなくていいはず。と、洗面台の前で気を落ち着かせる。

洗面所にバスタオルと一緒にバスローブも用意されていて、その場に崩れ込んだ。


バスローブは…、なんかだめじゃない…?


まだ見てもいないのに直樹さんが着たら色気が…、と想像してしまう。自分が本気で好きな人相手を目の前にしたり、考えたりするとポンコツになると、ずいぶん前に及川くんが話していたことがあったけれど、今ようやく気持ちが分かった。

どうやら私もそのタイプらしい。
< 90 / 141 >

この作品をシェア

pagetop