離縁を告げた夜、堅物御曹司の不器用な恋情が激愛豹変する
お正月明けには珀人さんと神社を訪れ、戌の日の安産祈願をした。
安定期を迎えたお腹はふくらみが目立ち始め、これまで感じることのなかった足腰の痛みや、常にお腹を庇うことで感じる不便さにも気づかされる。
街で妊婦さんを目にすると『幸せそうだな』と単純に胸をほっこりさせることが多かったけれど、実際に経験してみると色々なマイナートラブルが多いことも知り、今は赤ちゃんと一緒に貴重な経験をしている最中なんだなと、時折しみじみと考えた。
それでもおおむね順調な妊娠経過をたどり、七カ月目を迎えた三月の土曜日。
珀人さんは午前中だけ会社に行っており、私はその間に妊婦健診の予約を入れていた。帰りにどこかで待ち合わせて、一緒にランチする予定だ。
「……あ。男の子かもしれないですねぇ」
診察室のベッドに横になり、すっかり慣れた腹部エコー検査を受けていたら、主治医の女性医師が言った。
初回の問診で性別を聞きたいかどうかのアンケートがあり、私はベビー服や寝具などを準備するために〝知りたい〟の方にチェックして提出していたのだ。