離縁を告げた夜、堅物御曹司の不器用な恋情が激愛豹変する

「男の子……」

 ほんの少し我が子の解像度が上がった気がして、ワクワクした。

 珀人さんに似るなら、ものすごくカッコいい男の子になるはずだ。でも、私の要素も入っていた方がうれしいかな。

 男の子は乗り物好きか恐竜好きかの派閥に別れるというけれど、どっちになるだろう。

 息子に会えるのが楽しみすぎて、頭の中が一気に騒がしくなる。

「今日も順調に大きくなっていたし、お母さんの体重増加も適切。経過は順調なので、次回はまた二週間後に」
「はい、ありがとうございました」

 健診を終えて待合室に戻り、会計処理が済むまでソファに座って待つことにする。

 ふと、会計窓口で支払いをしている女性にふと目が留まった。

 ストンとした紺のワンピースに白のカーディガンを羽織っている、綺麗な女性。

 最近会っていないので少し自信はないけれど、以前珀人さんの秘書だった四季鞠絵さんによく似ていた。

 真木さんがZアドバンスから去ったのと同時期に彼女も財前ホールディングスを退職しているから、現在どこでなにをしているのかは知らない。

 しかし、見れば見るほど彼女本人のような……。

「お大事にどうぞ」

 会計の担当者に言われて軽く会釈をした彼女が、私の視線に気づいてこちらを振り向く。

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