天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
「シオン・セレスタイトが国王陛下にご挨拶申しあげます。本日は面会をお許しくださりありがとうございます」
国王陛下とローレンス殿下が息を呑むのがわかった。
国王陛下はコホンと咳払いし、玉座から私を見おろす。
「悪妻ルピナによって魔塔へ監禁され、凶事の片棒を担がされていたらしいな。お前が宮廷魔導師として復帰することで、凶事が治まることを願っている」
「それは叶わない願いかと思います。凶事の原因はルピナではないのですから」
私がそう答えると、ローレンス殿下は困惑顔になる。
「シオン。自分の居場所がなくなると心配しているのかもしれないが、そんなことはない。上級魔導師となったのだから、正々堂々とオレを支えるべく宮廷に戻ってきてほしいのだ」
「正々堂々と……」
私は少し空しくなった。今までの私は、彼にとっては隠さねばならない存在だったことに気づかされたからだ。
「シオン様の実力では最上級魔導師でもおかしくないと思いますけど?」
横から口を挟んだのは今まで黙っていたルピナだ。イライラしている様子が見て取れる。