天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
「いや、あの、シオン様は私の推しなので! 恋愛対象ではなく!!」
言い訳すればするほどドツボにはまる気がする。
「推しとは?」
「崇拝する相手ということです!!」
シオン様は理解できないという表情だ。
しかし、ここで引くわけにはいかない。
「とりあえず、推しについては横に置いてもらって……。私があなたと結婚するには利があるのです。噂に聞いておられない? 宮廷魔導師様。セレスタイト公爵家の悪女が、怪しげな塔を作っていると」
「……魔塔の噂は聞いている。子供や獣を攫ってコレクションしているというのは本当か?」
シオン様が疑わしげに尋ねる。
「ええ、そうですわ。そのコレクションの管理にあなたが必要ですの。宮廷魔導師のあなたをいいように使うには結婚するのが早いでしょう?」
「契約結婚ということか。そんなことを私がすると思うか?」
「断れないと思いますわ」
私はニヤリと笑う。