天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
シオン様は私を見て怯んだ。
「この塔の一番下の階は、厩舎になっていますの。《《ユニコーン》》の」
その一言で、シオン様は目を輝かせた。
「先程のユニコーンか?」
声がわずかにうわずっているのは好奇心が抑えられないのだろう。
「宮廷魔導師は、魔獣の類いには触れてはいけない決まりなのでしょう?」
「ああ。宮廷では職分がはっきりしているからな。魔獣使いの領分に魔導師が関わることはできない。それに、王宮にもユニコーンはいない」
「では、見にいきましょう!」
私は強引にシオン様を誘い出す。
塔の最上階から、下へと下っていく。