天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
「わかってもらわなければならないことがまだありそうだな……」
天蓋を仰ぐ目は、虚無の色だ。
「……シオン様? あの、別に、私、シオン様が嫌だとかではなくてですね?」
「それはわかるが。理解不能だ」
「あの?」
顔を覗き込む私をシオン様は引っ張った。
思わずシオン様の隣になだれ込む。
「結婚式を挙げないか。私が準備できるのは些細なものだが許してほしい」
「でも、それは」
「私が君と一緒にいれば幸せなのだと皆に示したい」
シオン様が私を見る。