天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

「そんなことありません。ルピナ様は誰よりもお美しいですよ」

 私は鏡に映る自分を見る。そう。ルピナは美しい。シオン様の隣に並んでもなんの遜色もないだろう。しかし……。

(中身が私なのよ……。いたたまれないもうしわけないというか、私が私を許せない!)

 だからできるだけ記憶や記録に残りたくはない。

「今日の私はシオン様の引き立て役に徹するの! だから本当は黒子のごとく黒い衣装にしたかったのに……」

「黒ドレスを着たら、誰よりも目立ってしまいます」

 カンナが突っ込む。

「そう思ったから、一番シンプルなドレスにしたからいいじゃない」

「とてもお似合いです」

 そう言われても私はため息が漏れてしまう。
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