天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
「本日の主役なんですからしゃっきりしてください」
「今日の主役はシオン様よ」
「普通は花嫁が主役なんです!」
ピシャリ、カンナに返される。
そのとき部屋のドアがノックされた。
「準備はできたか? ルピナ」
聞こえてきたのは我が推しシオン様の声である。
何度聞いても、いつ聞いても、至高の声色である。
「は、はぃぃ!!」
ドアを開けて入ってきたシオン様は、いつにましてきらきらしい。
純白のタキシードに、カラスの濡れ羽色の髪がサラリと落ちている。中のベストは黒に近い紺色で、首元のスカーフ風のタイはベストより薄い紺色だ。その中央にセレスタイト公爵家の象徴である空色に輝く天青石が輝きを放っている。
天使のような目映さに、私はクラリと眩暈した。