天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
 九階が最上階で、八から六階が魔術図書館、なかでも六階は勉強と実験ができる部屋になっている。

 シオン様は好奇心旺盛で研究熱心だ。宮廷にある魔術書はあらかた読んでしまっている。そこで私は宮廷には置かれない禁書や国外の本などを集めたのだ。

 魔術図書館の蔵書の数に、シオン様は感嘆の吐息を漏らす。

「……これは、趣味がよい選定者がいるのだな」

 私は呟きに大興奮だ。

(きゃー! シオン様に褒めてもらっちゃった! シオン様が欲しそうな本ばかり選んだかいがあったわ!)

 喜びの雄叫びをあげたいところだが、グッと唇を噛む。

 シオン様は本を手に取り私に振り返った。

「これは、宮廷では禁書となっている本ではないか!」

「ええ。焚書され存在自体を消された本もありますのよ?」

「そんなこと……許されない」

「私、宮廷に許される必要などありませんの」

 私は答える。
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