天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

 シオン様は私を見ると大きく目を見開き、息を止めた。

「や、やっぱり嫌ですよね? 式、やめましょうか? それとも女優を代理で――」

 私が慌てて提案すると、シオン様は大きく息を吐き感嘆した。

「美しい……」

 麗しい姿に甘い声、この世のものとは思えぬ光景に私は思わず呻く。

「……こ、ここは天界かっ!」

 シオン様は苦笑いしつつ、私に手を差し伸べた。

「準備ができたなら行こう。ルピナ」

 優しく誘うシオン様に、私は気圧され戸惑う。

「やっぱり、こんなに美しい天使様の横に私なんぞが並んで良いとは思えない……」

 心の声が漏れるとシオン様は肩をすくめた。
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