天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

「え? なに? なにごと!?」

「では、行くぞ。ユニコーン」

 シオン様が手綱を握ると、ユニコーンはご機嫌で歩き出した。

「行く? どこへ?」

「神殿の大広間に決まっているだろう」

「え? え?」

 動揺する私だが、ドレス姿ではユニコーンから飛び降りることもできない。そもそも、手綱を握るシオン様の手に囲われて、逃げることなど無理なのだ。

「攫われた日と逆転だな」

 シオン様は愉快そうに笑う。

「人生の晴れ舞台、隣に立つ人間が本当に私でいいんですか?」

「もちろんだ。君しかいない」

「……ええ……、その、まぁ……、まだ信じられません……」

 しどろもどろに答える私に、シオン様は好戦的な目を私に向けた。
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