天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
番外編*『バレンタインの夜に』
「ルピナ。今夜は時計台まで一緒に行ってくれないか?」
シオン様からそう言われ、私たちは時計台に向かっている。
今日は二月一四日。前世の世界でいうバレンタインデーである。が、この世界には、聖バレンタインが存在しなかったので、当然バレンタインデーもない。
なので、この私ルピナ・セレスタイトがループス紹介関連商店で春祭りセールを実施していたのだ。
キャッチコピーは『水仙の花と共に大切な人へプレゼントを贈ろう』である。
これで堂々とシオン様にプレゼントを贈ることができるという寸法だ。
(サンドイッチはあるのに謎よね~。それはともかく! 推しにプレゼントしたいじゃない? プレゼントを贈る口実は多ければ多いほどいいじゃない?)
計算どおり私はシオン様に特製の魔法ネイルポリッシュを贈り、ありがたいことにネイルを塗るという公認セクハラを許され、光栄にも時計台への同行まで許されたのだ。
(ああん♡ こんなに幸せでいいのかしら? これは夢かしら?)