天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

(ねぇ! みんな! 見てみて!! 今年の水仙を飾るのは私の推し希代の天才魔術師シオン様なのよ~!!)

 なんといってもシオン様と水仙の組み合わせはとても美しい。
 カゴいっぱいに水仙を待つシオン様を見て行き交う人々は目を細めた。

「今年の水仙はシオン様が飾るのね」

「今までだったら考えられない」

 私はその声を聞き、ムッフーと鼻から息を吐きドヤ顔である。
 そのときだ。慌てた様子ですれ違う男がトンと私の肩にぶつかった。
 男はワタワタと謝罪の礼をして行き過ぎる。
 機嫌のよい私も気にするなと伝えるべく軽く手を振り微笑んだ。
 すると、シオン様が足を止めた。
 何事かと私も足を止める。
 シオン様は無言で私の後ろに回り、位置を入れ替え、さりげなくマントを広げてその中に私を入れた。

(? !? !! !!!!)
< 308 / 314 >

この作品をシェア

pagetop