天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
(シオン様のためならば、宮廷なんて怖くはないわ!)
ぶっちゃけ、最悪国外逃亡するだけの準備はきちんとしてきてある。そもそも、推しを邪険にする国になど愛着はない。国外に移住して、国を盗ってもよいとすら考えるシオン様強火過激派である。
「たしかに、セレスタイト公爵家であれば許される……」
シオン様はゴクリと固唾を呑みなにやら納得した。
五から四階は傷ついた妖精や魔獣などを保護している部屋だ。ほかの貴族が酷使していたブラウニー(家事妖精)などもいる。
五階の扉を開けると、中にいた妖精たちが集まってきた。黒犬のガルムも顔を上げ、尻尾を振って歓迎してくれる。五階は、治療がすみそろそろ外界に戻る妖精や魔獣が住む。復帰のためのリハビリを兼ねて、私の手伝いをしてくれているのだ。
「ルピナおかえり!」
声をかけてきたのは、二足歩行の猫の妖精、ケット・シーである。尻尾を切られ鎖に繋がれていたところを、盗賊から奪ったものだ。怪我が治ったら生まれ故郷に帰そうと、今はリハビリをしているところだ。