永遠の絆*

届かない壁

電車で揺られて10分。

さっきとは見違えるほど違う風景に思わず気分も沈み返った。


改札口を出ると灯りも疎らで電柱の街灯が薄暗く辺りを静かに包み込む。


歩いて10分ちょっとと言う距離は全然遠くなんかなく、普通に歩けばすぐに着く距離なのに、私の足は家に向かうほど歩幅が小さくなり着いた頃には20分以上もかかっていた。


玄関の前に立ち鍵を差してガチャ…と小さく響くこの音は好きじゃない。

なぜなら孤独を感じてしまうからだ。


でも、これが何年も続くと次第に私は慣れていた。

まぁ、孤独と言うよりは今では当たり前になっているんだけど…。


シャワーを浴びた後、部屋に入りベッドに倒れこんで真っ白な天井を見つめる。

あんな真っ白の様に頭の中も真っ白になって何もかも無くなってしまえばいいのに…



そう思うのもいつからで、何度目になるんだろう。
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