冷徹皇子の夜伽番 ──童貞を奪うのは私の役目?──
私たちは同じソファに並んで腰を下ろし、湯気の立つカップを手にした。

静かな室内に、ハーブの爽やかな香りが広がる。

緊張で早鐘を打つ胸をなだめるように、私はゆっくりと一口含んだ。

「なんだか、不思議な気分だ。」

アルベール皇子はそう呟き、ふと私の頬へと手を伸ばす。

温かな掌が触れた瞬間、心臓が大きく跳ねた。

「見間違えたよ、エリシア……。とても美しい。」

冷徹だと呼ばれるその口から、信じられないほど甘い言葉が零れる。

私は思わず、その手に自分の指先を重ねていた。

「アルベール皇子……」

呼ぶ声は熱を帯び、視線は無意識に欲情の色を宿していた。

そのことに気づいた瞬間、頬が熱くなる。

次の瞬間、殿下の腕が私を抱きしめた。

背中を包む力強さに、全身が震える。

「エリシアは……どうして今夜、来てくれたの?」

囁きが耳をかすめる。

私の胸に隠してきた想いを、すべて見透かされているようで……息が詰まった。
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