冷徹皇子の夜伽番 ──童貞を奪うのは私の役目?──
「それが……私だったのですか?」

震える声で尋ねると、胸の奥に温かなものが広がっていった。

「ああ、エリシア。……おまえだった。」

真っ直ぐに告げられた言葉に、涙がこぼれ落ちる。

気づけば私は殿下の胸へと飛び込んでいた。

「私も……皇子を、心からお慕いしております……!」

強く抱きしめ返された瞬間、全身が痺れるように熱くなった。

息もできないほどに力強く、けれど優しく包まれる。

その抱擁が、殿下の決意そのものだと分かった。

「エリシア……」

耳元に落ちる声は低く甘く、囁きは心を溶かす。

「もう、他の女なんていらない。」

熱い吐息が首筋をかすめ、全身が震える。

「おまえだけいれば……それだけでいい。」

冷徹と噂された皇子が、今、私にだけは切実に縋るように愛を語ってくれる。

その事実が嬉しくて、涙は止まらず流れ続けた。

私は彼の胸に顔を埋めながら、心の奥底で誓う。

──もう、この方を決して一人にしない。

この腕で、必ず癒してみせる。
< 18 / 30 >

この作品をシェア

pagetop