冷徹皇子の夜伽番 ──童貞を奪うのは私の役目?──
そして互いの瞳を見つめ合ったまま、自然と距離が縮まっていく。

次の瞬間、私の唇はアルベール皇子の唇にそっと重なった。

「ん……んん……」

触れた瞬間、全身に甘い痺れが走る。柔らかな感触に、心も体も奪われていく。

離れたくない。

もっと深く、もっと長く重ねていたい。

そんな想いが抑えられず、唇を何度も重ねてしまう。

「皇子……」

息の合間に囁いた言葉を、殿下は低く遮った。

「アルベールと……呼んでくれ。」

胸がどきどきと高鳴り、頬が熱を帯びる。

「……アルベール。」

名前を呼んだ瞬間、再び唇が奪われた。

角度を変え、何度も、何度も。

甘く深い口づけが繰り返され、世界が二人だけのものに変わっていく。

「ぁぁ……」

切なげな声が零れ、ようやく唇が離れた。

その時、二人の間に走った熱は、もう後戻りできないほど強く燃え始めていた。
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