冷徹皇子の夜伽番 ──童貞を奪うのは私の役目?──
「そうか……」

アルベールの低い声が耳元で響く。

熱を帯びたものが、ゆっくりと私の入口に触れた。

「優しくするから。」

その言葉にうんと頷いた瞬間、殿下の熱が少しずつ私の中へと押し入ってくる。

「……っ!」

思わず息が詰まり、全身が強張る。

「痛いか?」

心配そうな声に、私は殿下の首にしがみつき、震える息を吐いた。

「……大丈夫です。どうか……動いてください。」

「エリシア……」

切なげに名を呼ぶ声が胸を震わせる。

アルベールは焦らず、驚くほどゆっくりと腰を動かした。

その優しさが痛みを和らげ、代わりにじんわりとした熱が広がっていく。

「あ……あぁ……」

声が零れ、背中が弓なりに反る。

これが殿下とひとつになる感覚なのだと、体の奥で実感した。

「君を傷つけたくない。ただ、幸せにしたい。」

耳元に落ちる囁きが甘く、涙が溢れる。

――こんな甘美な夜が、本当にあっていいのだろうか。

夢だとしたら、どうか醒めないでほしい。

私はただ殿下の腕の中で、永遠を願いながら身を委ねた。
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