冷徹皇子の夜伽番 ──童貞を奪うのは私の役目?──
「……エリシア。」

ぐったりとしたアルベールが、私の傍らに横たわった。

汗ばんだ体から伝わる熱が、まだ肌に残っている。

「お互い……初めてにしては、上手くいったな。」

息を整えながら照れくさそうに笑う殿下に、思わず「ふふふ」と小さく笑い返した。

彼は私を引き寄せ、自然に腕枕をしてくれる。

広い胸に頬を預けると、鼓動の音がとても愛しく思えた。

「アルベールの心は……満たされましたか?」

そっと尋ねると、殿下は真剣な瞳で頷いた。

「ああ……おかげで、素晴らしい初体験になった。」

そのまま唇を寄せ、私の頬に優しく口づけを落とす。

「ありがとう。……処女を俺にくれて。」

「ううん。」私は小さく首を横に振った。

「私こそ……アルベールに抱かれて、嬉しかったんです。」

その言葉に殿下の目がさらに優しく細められる。

強く抱かれるのとは違う、穏やかな温もり。

互いに初めてを捧げ合った幸福が、部屋いっぱいに満ちていた。
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