冷徹皇子の夜伽番 ──童貞を奪うのは私の役目?──
そしてついに、マルグリットの目が私に向いた。
「エリシア。ちょっと来なさい。」
「はい……」
廊下の片隅、人目のない場所に呼び出された私は、心臓がいやに早く打っているのを感じていた。
侍女長の声は低く、そして鋭かった。
「アルベール皇子の童貞を奪いなさい。」
「えっ……⁉」
耳を疑った瞬間、体が揺れるほどの衝撃が走った。
皇子の……童貞? 私が?
「なぜ……私に?」
震える声で問うと、マルグリットは冷ややかに言い放った。
「簡単なことです。殿下はおまえにしか心を許していない。」
「うっ……」
その言葉に、思わず喉が詰まった。
分かっていた。ずっと前から気づいていた。
殿下が他の誰とも目を合わさないのに、私にだけは言葉をかけてくださることを。
けれど、それは恋と呼んではいけない淡い憧れで、決して現実にはならないと胸に押し込めてきたのだ。
「エリシア。ちょっと来なさい。」
「はい……」
廊下の片隅、人目のない場所に呼び出された私は、心臓がいやに早く打っているのを感じていた。
侍女長の声は低く、そして鋭かった。
「アルベール皇子の童貞を奪いなさい。」
「えっ……⁉」
耳を疑った瞬間、体が揺れるほどの衝撃が走った。
皇子の……童貞? 私が?
「なぜ……私に?」
震える声で問うと、マルグリットは冷ややかに言い放った。
「簡単なことです。殿下はおまえにしか心を許していない。」
「うっ……」
その言葉に、思わず喉が詰まった。
分かっていた。ずっと前から気づいていた。
殿下が他の誰とも目を合わさないのに、私にだけは言葉をかけてくださることを。
けれど、それは恋と呼んではいけない淡い憧れで、決して現実にはならないと胸に押し込めてきたのだ。