無口な人魚姫と粗暴な海賊
 太陽の光が窓から斜めに差し込める頃。

 パールがいつものようにぼんやりとバスタブに浮かんでいると、ドカっと大きな音を立てて扉が開かれた。

 体を起こし扉を見やる。

 そこには、いつものように豪快に扉を開けたダリオスと――。

 今日はもう一人、獣人の女の子が部屋に入ってきた。


 パールは獣人族を見るのが初めてだった。

 でも、どの種族がどのようにして暮らしているのかは知っている。

 海中世界では、一般常識として教え込まれるため、当然のことであった。


 獣人族の女の子の耳がピクリと動き、尻尾が左右にゆっくりと揺れる。

 初めて見るその姿にパールは異質だなんて思わない。

 だって、人間界で暮らす人からしたらパールの方が異質だからだ。


「おはよう。姫さん。よく眠れたか?」


 ダリオスがパールの顔色を確認しながら、尋ねる。

 いつもより早く起きたが、睡眠時間に問題はない。

 パールは大丈夫という意を込めて大きく頷いた。


「ならいい。姫さん。今日はアンタに紹介したい奴がいる。」


 そう言うと、ダリオスの一歩後ろに控えるようにして立っていた、獣人族の女の子が前に出る。
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