無口な人魚姫と粗暴な海賊
右に流れる少し目が隠れる整えられた前髪。
ピンと伸びた背筋に切りそろえられた美しい爪。
礼儀も作法も弁えられた完璧な佇まい。
それだけで、彼女が真面目な性格をしているというのが見て取れた。
「はじめまして、パール様。今日からパール様の身の回りのお世話と護衛役を仰せつかりました。ネコ科の獣人族、ミーシャと申します。」
静寂を纏った美しい声で挨拶をしたミーシャにパールは、右手を差し出す。
以前、二番目の姉に人間界の挨拶を聞いたことがあった。
『はぁ?人間界の挨拶が知りたいですって?人間界にアンタみたいな出来損ないが行けるはずないのに?
まぁ、いいわ。今日は気分がいいから教えてあげる。
人間界では、初対面の人に会ったら握手をするのよ。
わかったかしら?アナタみたいな無能でもこれくらい分かるわよねぇ?』
と教えてもらった。
なぜ、今このことを思い出したのか。
それは、礼儀正しい彼女にパールも最大の礼儀を払いたいと思ったから。
礼儀には、礼儀で返したい。
二番目の姉がパールに意地悪をして嘘を教えていない限り、この挨拶で間違いないはずだ。
パールが緊張した面持ちで、ミーシャを見つめる。
少し目を見開いたあと、硬い表情をしていたミーシャが静かに、けれど優しく微笑む。
儚いけれど美しい微笑みに、パールはこれが正解だと悟り、胸を撫で下ろす。
「パール様は、獣人族の挨拶を知っているのですね。大変嬉しく思います。
パール様。これからどうぞよろしくお願いいたします。」
ミーシャがパールの挨拶に応えるように右手を差し出す。
パールの手は水の中に沈んでいたため少し濡れていた。
しかし、ミーシャもまた気にすることはなく、一切の躊躇いもなくパールの手を握る。
ピンと伸びた背筋に切りそろえられた美しい爪。
礼儀も作法も弁えられた完璧な佇まい。
それだけで、彼女が真面目な性格をしているというのが見て取れた。
「はじめまして、パール様。今日からパール様の身の回りのお世話と護衛役を仰せつかりました。ネコ科の獣人族、ミーシャと申します。」
静寂を纏った美しい声で挨拶をしたミーシャにパールは、右手を差し出す。
以前、二番目の姉に人間界の挨拶を聞いたことがあった。
『はぁ?人間界の挨拶が知りたいですって?人間界にアンタみたいな出来損ないが行けるはずないのに?
まぁ、いいわ。今日は気分がいいから教えてあげる。
人間界では、初対面の人に会ったら握手をするのよ。
わかったかしら?アナタみたいな無能でもこれくらい分かるわよねぇ?』
と教えてもらった。
なぜ、今このことを思い出したのか。
それは、礼儀正しい彼女にパールも最大の礼儀を払いたいと思ったから。
礼儀には、礼儀で返したい。
二番目の姉がパールに意地悪をして嘘を教えていない限り、この挨拶で間違いないはずだ。
パールが緊張した面持ちで、ミーシャを見つめる。
少し目を見開いたあと、硬い表情をしていたミーシャが静かに、けれど優しく微笑む。
儚いけれど美しい微笑みに、パールはこれが正解だと悟り、胸を撫で下ろす。
「パール様は、獣人族の挨拶を知っているのですね。大変嬉しく思います。
パール様。これからどうぞよろしくお願いいたします。」
ミーシャがパールの挨拶に応えるように右手を差し出す。
パールの手は水の中に沈んでいたため少し濡れていた。
しかし、ミーシャもまた気にすることはなく、一切の躊躇いもなくパールの手を握る。