夜を繋いで君と行く
「おお…!顔近い…え、今日この距離でいいの?顔近いとキスしたくなるんだけど。」
「だ、ダメに決まってるでしょ!」
「わかってますー。それにせっかくなんかキラキラしたのつけてるもんね、ここ。」
律が指をさした先は怜花の唇だった。いつもより少しだけ明るめのトーンのリップは最近だと里依と出かけるときくらいにしか使っていないものだった。
「キスしたらそれ、落ちちゃうでしょ?だから帰ってくるまではしません。…多分。」
「多分じゃなくて絶対!絶対ダメです!」
「怜花ってばほんっと真面目なんだから。あ、じゃあさやったことないけど、腕組んでみてくれない?ってかくっついてほしい。」
玄関の外に出て開口一番、律はそう言った。怜花は赤くなる頬を押さえつつ、少しだけ律に手を伸ばして引っ込める。
「ん?」
「ど、どっち側が邪魔じゃないかな?」
「どっちでも邪魔じゃないよ。手伸ばしやすいの、右手?」
「…かな、多分。」
「ん、じゃあはい、ここ掴んでー。」
律の左腕が少しだけ突き出される。怜花はそっと手を伸ばしてきゅっと腕を組む。腕を組んで歩いたことがないため、歩幅も距離も慣れなくて難しい。
「…なんでそんな顔?」
「どんな顔?」
「ちょっと険しい。そんなに嫌だった?」
「そうじゃなくて、今必死なの。」
「必死?何に?」
「歩くペース遅くないかなとか、掴みすぎてないかなとか色々考えてて。」
「もっとべたーってくっついてくれてもいいくらいだよ。」
「歩きにくくない?っていうか、そんなのだと私が上手く歩けないし、そういうなんか甘えた感じは…外の私には似合わないっていうか、その…。」
「うん。何?」
律よりもずっと、外というものを意識しているという自覚はある。律の隣に並び立つ女が、律にしなだれかかるような人では嫌だと思っている自分がいる。
「…律の隣に立つ人はそういう、その…自立してないみたいな変な子じゃなくて、シャキッとしたかっこいい人の方がいいなって思うから、そうありたいなって思ってて…。」
怜花がそう言い終えると、律の優しい視線が降ってきた。
「…そんなこと考えてたの。じゃあ手を繋ぐに変更しよっか。手を繋ぐのは自立したちゃんとした大人でもやって大丈夫なところ?怜花的には。」
「それは、…うん。」
「じゃあ手、繋ご。腕にべたーってくっついてもらうのは帰ってきたらソファでやろ。俺もくっついてみたいし。」
「やったことないものをやるの、好きだね…律。」
「うん。だって全部、付き合ってくれんだもん。あ、でも今日は怜花の誕生日だから、俺ばっかり楽しんでたらダメだね。ちゃんと着いたら怜花のプレゼント選ぶモードに移行するから!」
「あの本当に…やりすぎないでね?」
「さて、それはどうでしょう?」
律はニッと笑う。怜花は空いている方の手で律の横っ腹を小突いた。
「だ、ダメに決まってるでしょ!」
「わかってますー。それにせっかくなんかキラキラしたのつけてるもんね、ここ。」
律が指をさした先は怜花の唇だった。いつもより少しだけ明るめのトーンのリップは最近だと里依と出かけるときくらいにしか使っていないものだった。
「キスしたらそれ、落ちちゃうでしょ?だから帰ってくるまではしません。…多分。」
「多分じゃなくて絶対!絶対ダメです!」
「怜花ってばほんっと真面目なんだから。あ、じゃあさやったことないけど、腕組んでみてくれない?ってかくっついてほしい。」
玄関の外に出て開口一番、律はそう言った。怜花は赤くなる頬を押さえつつ、少しだけ律に手を伸ばして引っ込める。
「ん?」
「ど、どっち側が邪魔じゃないかな?」
「どっちでも邪魔じゃないよ。手伸ばしやすいの、右手?」
「…かな、多分。」
「ん、じゃあはい、ここ掴んでー。」
律の左腕が少しだけ突き出される。怜花はそっと手を伸ばしてきゅっと腕を組む。腕を組んで歩いたことがないため、歩幅も距離も慣れなくて難しい。
「…なんでそんな顔?」
「どんな顔?」
「ちょっと険しい。そんなに嫌だった?」
「そうじゃなくて、今必死なの。」
「必死?何に?」
「歩くペース遅くないかなとか、掴みすぎてないかなとか色々考えてて。」
「もっとべたーってくっついてくれてもいいくらいだよ。」
「歩きにくくない?っていうか、そんなのだと私が上手く歩けないし、そういうなんか甘えた感じは…外の私には似合わないっていうか、その…。」
「うん。何?」
律よりもずっと、外というものを意識しているという自覚はある。律の隣に並び立つ女が、律にしなだれかかるような人では嫌だと思っている自分がいる。
「…律の隣に立つ人はそういう、その…自立してないみたいな変な子じゃなくて、シャキッとしたかっこいい人の方がいいなって思うから、そうありたいなって思ってて…。」
怜花がそう言い終えると、律の優しい視線が降ってきた。
「…そんなこと考えてたの。じゃあ手を繋ぐに変更しよっか。手を繋ぐのは自立したちゃんとした大人でもやって大丈夫なところ?怜花的には。」
「それは、…うん。」
「じゃあ手、繋ご。腕にべたーってくっついてもらうのは帰ってきたらソファでやろ。俺もくっついてみたいし。」
「やったことないものをやるの、好きだね…律。」
「うん。だって全部、付き合ってくれんだもん。あ、でも今日は怜花の誕生日だから、俺ばっかり楽しんでたらダメだね。ちゃんと着いたら怜花のプレゼント選ぶモードに移行するから!」
「あの本当に…やりすぎないでね?」
「さて、それはどうでしょう?」
律はニッと笑う。怜花は空いている方の手で律の横っ腹を小突いた。