夜を繋いで君と行く
唇が離れて、目が合う。この時間がいつも恥ずかしい。律は甘く微笑むと再び顔を近付けた。
初めて、唇が食まれた。そんな感触がした。律の唇でしかないのに、動きが違うと一瞬戸惑う。何度か食まれて、心拍数は上がるのにその度に律の手の温度に安心をもらって、怜花は自分の拳をぐっと握ることで緊張を何とかしようとした。
「力入ってるなぁー。怜花さ、俺の肩に手、置ける?」
「…肩?」
「うん。苦しかったら手に力入るんじゃないかなって。ぐって握ってよ、苦しいとか怖いってなったら。怜花がそうなるまで、色々試すからさ、俺が。」
「た、試す…?」
「うん。…怜花の唇、ちっちゃくて可愛かった。…ごちそうさまでした。」
「ば、ばか!」
「ばかでーす!」
また近付いてきた律の唇が開いたと思ったら、怜花の唇がぺろりと一度、舐められた。これも初めての感触で、怜花は驚いてのけぞろうとしたが、それはいつの間にか背中に回っていた律の腕によって阻止された。
「な…!」
「俺の唇にもだけど、舌にも慣れてほしいの。怖がらせたくないから、ちょっとずつ慣れて。」
「…じ、時間がかかる…よ…」
「それはいいよ、全然。俺もゆっくり怜花のこと味わうし。『怖い』ことを、少しずつ『怖くないこと』に変えたいから、…怜花が嫌にならない程度のところで練習しようよ。」
「…それは…っ…私にとっては…助かるけどっ…でも律は…大変だし面倒じゃない?私のことばっかり優先して…。」
律にあれもこれもしたいと言われても対応できないのに、そればかりが気になる。私のペースを強いることは、律にとっては負担になるのではないか、と。
「…怜花に嫌われたり、怖がられたり、泣かれたりするのが一番嫌。…優先するよ、当たり前じゃん。好きなんだもん。でも好きだから、怜花のこと考えつつ、怜花にもっと触れたくてこうしてんの。…ね?怜花のことだけ優先してるわけじゃなくて、ちゃんと俺の打算も含まれてるよ。いっぱい心配しなくて大丈夫。怜花はさ、怖かったこと全部小出しでいいから教えてよ。一個ずつ捨てるから、怖いことは。で、俺と幸せなことだけしよう。ね?」
律の声が優しく響く。悲しくないのに、急激に視界が滲む。
「えっ、あ、ごめん!何?え、何で泣くの!?えっ、待って。何で泣かせた?」
「…悲しい涙じゃないの。これは。…大丈夫。律とは幸せなことしかしてないよ…。」
怜花は律の胸に体重を預けると、胸元のシャツをぎゅっと握った。律の唇が頭の上に乗った、そんな音がした。
初めて、唇が食まれた。そんな感触がした。律の唇でしかないのに、動きが違うと一瞬戸惑う。何度か食まれて、心拍数は上がるのにその度に律の手の温度に安心をもらって、怜花は自分の拳をぐっと握ることで緊張を何とかしようとした。
「力入ってるなぁー。怜花さ、俺の肩に手、置ける?」
「…肩?」
「うん。苦しかったら手に力入るんじゃないかなって。ぐって握ってよ、苦しいとか怖いってなったら。怜花がそうなるまで、色々試すからさ、俺が。」
「た、試す…?」
「うん。…怜花の唇、ちっちゃくて可愛かった。…ごちそうさまでした。」
「ば、ばか!」
「ばかでーす!」
また近付いてきた律の唇が開いたと思ったら、怜花の唇がぺろりと一度、舐められた。これも初めての感触で、怜花は驚いてのけぞろうとしたが、それはいつの間にか背中に回っていた律の腕によって阻止された。
「な…!」
「俺の唇にもだけど、舌にも慣れてほしいの。怖がらせたくないから、ちょっとずつ慣れて。」
「…じ、時間がかかる…よ…」
「それはいいよ、全然。俺もゆっくり怜花のこと味わうし。『怖い』ことを、少しずつ『怖くないこと』に変えたいから、…怜花が嫌にならない程度のところで練習しようよ。」
「…それは…っ…私にとっては…助かるけどっ…でも律は…大変だし面倒じゃない?私のことばっかり優先して…。」
律にあれもこれもしたいと言われても対応できないのに、そればかりが気になる。私のペースを強いることは、律にとっては負担になるのではないか、と。
「…怜花に嫌われたり、怖がられたり、泣かれたりするのが一番嫌。…優先するよ、当たり前じゃん。好きなんだもん。でも好きだから、怜花のこと考えつつ、怜花にもっと触れたくてこうしてんの。…ね?怜花のことだけ優先してるわけじゃなくて、ちゃんと俺の打算も含まれてるよ。いっぱい心配しなくて大丈夫。怜花はさ、怖かったこと全部小出しでいいから教えてよ。一個ずつ捨てるから、怖いことは。で、俺と幸せなことだけしよう。ね?」
律の声が優しく響く。悲しくないのに、急激に視界が滲む。
「えっ、あ、ごめん!何?え、何で泣くの!?えっ、待って。何で泣かせた?」
「…悲しい涙じゃないの。これは。…大丈夫。律とは幸せなことしかしてないよ…。」
怜花は律の胸に体重を預けると、胸元のシャツをぎゅっと握った。律の唇が頭の上に乗った、そんな音がした。