夜を繋いで君と行く
* * *
「いただきます。」
「いただきます!」
辛さは二階堂のものより一段階下げたものを注文し、餃子は二人でシェアをすることにした。セットでついてきた卵スープに舌鼓を打っていると、担々麺が運ばれてきた。
「…あ、美味しい。辛さはこれで丁度よかったかも。」
「口に合った?良かったー。」
「美味しいです。」
「あ、ごめん、俺口つけちゃったけど、こっちの辛さも試させてあげればよかったね。」
何かと謝る二階堂に、怜花は苦笑した。二階堂は気遣いすぎだ。このままでは疲れさせてしまう。そんな気にすらなる。
「…謝るところじゃないですよ。一口いただいてもいいんですか?」
「いいの?気にしないタイプ?」
「全然気にしませんよ。同じものも飲めます。二階堂さんも気にしないタイプなのであれば、私が食べたり飲んだりしたもの、試したいときは言ってくださいね。それと、本当にそんなに気遣ってもらう必要、ないですよ。気疲れしませんか?」
「なんか過剰にやってる?あんまり自覚ないんだけど…。」
すすった麺を咀嚼してから、二階堂が呟くようにそう言った。怜花はれんげを二階堂の方のスープに浸し、一口分口に運んだ。
「あ、辛い!結構辛い…。私は自分の方の辛さで正解でした。」
「口、大丈夫?」
「あ、はい。ってそういうところ!あの、大人数で会ったり話したりすると家に帰って寝るだけになっちゃってませんか?」
「え…なんでわかんの?」
「はー…ほらやっぱり。」
怜花は二階堂にもわかるように盛大にため息をついた。自分にも覚えがあるからわかる。私たちは空気を読みすぎる。そして、読んだ空気の上で適切な行動の最大値までを行おうとする。そして対応する人数が多くても発揮されるその能力は、人数に比例して自身の体力と精神力を削っていく。
「…いいですよ、私は除外してください、その気遣いをする必要のある人から。楽に過ごしてください。本当に。私、二階堂さんに気遣われたいわけでも、気分良くしてほしいと思ってるわけでもないので。」
他人を使って気持ちよくなろうとする人は、いる。そして私たちは、そういう人たちから求められやすい。
「いただきます。」
「いただきます!」
辛さは二階堂のものより一段階下げたものを注文し、餃子は二人でシェアをすることにした。セットでついてきた卵スープに舌鼓を打っていると、担々麺が運ばれてきた。
「…あ、美味しい。辛さはこれで丁度よかったかも。」
「口に合った?良かったー。」
「美味しいです。」
「あ、ごめん、俺口つけちゃったけど、こっちの辛さも試させてあげればよかったね。」
何かと謝る二階堂に、怜花は苦笑した。二階堂は気遣いすぎだ。このままでは疲れさせてしまう。そんな気にすらなる。
「…謝るところじゃないですよ。一口いただいてもいいんですか?」
「いいの?気にしないタイプ?」
「全然気にしませんよ。同じものも飲めます。二階堂さんも気にしないタイプなのであれば、私が食べたり飲んだりしたもの、試したいときは言ってくださいね。それと、本当にそんなに気遣ってもらう必要、ないですよ。気疲れしませんか?」
「なんか過剰にやってる?あんまり自覚ないんだけど…。」
すすった麺を咀嚼してから、二階堂が呟くようにそう言った。怜花はれんげを二階堂の方のスープに浸し、一口分口に運んだ。
「あ、辛い!結構辛い…。私は自分の方の辛さで正解でした。」
「口、大丈夫?」
「あ、はい。ってそういうところ!あの、大人数で会ったり話したりすると家に帰って寝るだけになっちゃってませんか?」
「え…なんでわかんの?」
「はー…ほらやっぱり。」
怜花は二階堂にもわかるように盛大にため息をついた。自分にも覚えがあるからわかる。私たちは空気を読みすぎる。そして、読んだ空気の上で適切な行動の最大値までを行おうとする。そして対応する人数が多くても発揮されるその能力は、人数に比例して自身の体力と精神力を削っていく。
「…いいですよ、私は除外してください、その気遣いをする必要のある人から。楽に過ごしてください。本当に。私、二階堂さんに気遣われたいわけでも、気分良くしてほしいと思ってるわけでもないので。」
他人を使って気持ちよくなろうとする人は、いる。そして私たちは、そういう人たちから求められやすい。