夜を繋いで君と行く
ただ何気なく夜を
* * *
ハンバーグを食べた木曜日から1週間と少し経った土曜の夕方。怜花がいつも二階堂にタッパーを渡す公園に、二階堂が車で迎えに来る流れになっている。怜花がよく行くスーパーで買い出しをして(一人で買い出しをしておくことを提案したが、却下されて一緒に行くことになり、怜花としてはバレないか不安が一つ増えてしまった)それから二階堂の家に行くことになっている。
怜花が時間より少し前に着くと、見慣れない車が一台停まっていた。窓が開いて、ニコニコの二階堂が手を振っている。
「荷物後ろに載せて~。怜花ちゃんは隣に乗ってね?」
「…テンションが高いですね。」
「怜花ちゃん、低くない?」
「…二階堂さん、くれぐれもいい声かつ大きな声では話さないでくださいね。私はこの生活圏内で二階堂さんがいることがバレたら困るので。」
「ああ、そういう心配でテンション低いの?よかった、お泊まり会が嫌とかじゃなくて。」
「…嫌ではないですよ、今更。」
「そっか。じゃあ怜花ちゃんの忠告通り静かな荷物持ちになります。」
「そんなに買わないと思いますけどね、カレーだけなら。」
「もしかして、カレーだけじゃなくてもいいの?」
好奇心に満ちた目が、怜花に問いかける。怜花は後ろの席に荷物を載せ、助手席に乗り込んだ。そして軽く頭を下げる。
「お世話になります。車の運転も、よろしくお願いします。…何から何までお世話になるので、カレーだけじゃなくてもいいですけど、食器や保存するものがないと、今日だけじゃ食べきれないですよ?」
「保存するもの…ないな。」
「でしょうね。タッパーくらいならスーパーでも置いてますし、とりあえずそれで間に合わせましょうか。そんなにたくさんは保存しきれないですけど、少しならなんとか。」
「何をお願いしようかな~。肉じゃがも美味しかったし、めかじきも美味しかったんだよなぁ。肉も魚も色々食べれて、健康になってる気がする!」
「細かいバランスまでは考えてませんからね、さすがに。」
「いいんだよ、そんなの。食べたことないものが、食べたことあるものに変わっていくのが楽しいんだし。」
普通の家庭料理しか提供していないし、目新しいものは作っていない。いわゆる定番のものでレシピなしでもある程度作れるものにしている。レシピを調べてまでやっているレベルになってしまうとそれはそれで気合が入りすぎているようにも思うし、仮の彼女の一線を越えているようにも感じられて、そのバランスでも少し悩み始めていた。二階堂が嬉しそうだからやっているが、自分はやりすぎではないかと。
ハンバーグを食べた木曜日から1週間と少し経った土曜の夕方。怜花がいつも二階堂にタッパーを渡す公園に、二階堂が車で迎えに来る流れになっている。怜花がよく行くスーパーで買い出しをして(一人で買い出しをしておくことを提案したが、却下されて一緒に行くことになり、怜花としてはバレないか不安が一つ増えてしまった)それから二階堂の家に行くことになっている。
怜花が時間より少し前に着くと、見慣れない車が一台停まっていた。窓が開いて、ニコニコの二階堂が手を振っている。
「荷物後ろに載せて~。怜花ちゃんは隣に乗ってね?」
「…テンションが高いですね。」
「怜花ちゃん、低くない?」
「…二階堂さん、くれぐれもいい声かつ大きな声では話さないでくださいね。私はこの生活圏内で二階堂さんがいることがバレたら困るので。」
「ああ、そういう心配でテンション低いの?よかった、お泊まり会が嫌とかじゃなくて。」
「…嫌ではないですよ、今更。」
「そっか。じゃあ怜花ちゃんの忠告通り静かな荷物持ちになります。」
「そんなに買わないと思いますけどね、カレーだけなら。」
「もしかして、カレーだけじゃなくてもいいの?」
好奇心に満ちた目が、怜花に問いかける。怜花は後ろの席に荷物を載せ、助手席に乗り込んだ。そして軽く頭を下げる。
「お世話になります。車の運転も、よろしくお願いします。…何から何までお世話になるので、カレーだけじゃなくてもいいですけど、食器や保存するものがないと、今日だけじゃ食べきれないですよ?」
「保存するもの…ないな。」
「でしょうね。タッパーくらいならスーパーでも置いてますし、とりあえずそれで間に合わせましょうか。そんなにたくさんは保存しきれないですけど、少しならなんとか。」
「何をお願いしようかな~。肉じゃがも美味しかったし、めかじきも美味しかったんだよなぁ。肉も魚も色々食べれて、健康になってる気がする!」
「細かいバランスまでは考えてませんからね、さすがに。」
「いいんだよ、そんなの。食べたことないものが、食べたことあるものに変わっていくのが楽しいんだし。」
普通の家庭料理しか提供していないし、目新しいものは作っていない。いわゆる定番のものでレシピなしでもある程度作れるものにしている。レシピを調べてまでやっているレベルになってしまうとそれはそれで気合が入りすぎているようにも思うし、仮の彼女の一線を越えているようにも感じられて、そのバランスでも少し悩み始めていた。二階堂が嬉しそうだからやっているが、自分はやりすぎではないかと。