夜を繋いで君と行く
* * *
「ありがとうございました。」
「おー怜花ちゃんも家だとスウェット派?」
「まぁパジャマもありますけど、そっちは今朝まで着てましたし洗ってないので。」
「え、洗う?」
「人様のお家に泊まらせてもらうのに、洗ってないものはちょっと失礼かなと思って。」
「うわー真面目。そんなの気にしなくていいのに。でもスウェットもちょっと意外。そういうのも着るんだ。」
「楽ですしね。家でまで気張った格好はしないです。」
怜花がそう言うと、二階堂はすっと立ち上がった。
「うん。楽にしてて。あ、ドライヤー使う?」
「持ってきました。リビングで使っちゃって大丈夫ですか?」
「うん。ってか用意がいいね~何かと。」
「そうですね。あれもいるかなって色々考えて、荷物が多くなっちゃうタイプかもしれません。」
「行き当たりばったりの俺と真逆だー。」
はは、と軽く笑ってくれる二階堂が出す空気に救われている。それはきっと、ずっと、最初からそうだ。
「じゃ、眠くなったらあっちの部屋、ベッドあるから寝ててもいいよ。」
「…待ってください。あの部屋は二階堂さんの寝室ですよね。」
「うん。」
「二階堂さんが言ったことを守るタイプだというのはわかっています。二階堂さん、どこで寝るつもりですか?」
「え、ここ?」
ここはリビングである。確かにソファは大きいので眠れるだろうがそれはおかしい。
「いや、待ってください。ソファは私で、二階堂さんがいつも通り寝室です。」
「えー無理無理。女の子ソファに転がして自分がベッド?ありえないでしょ。」
「あり得ます!とりあえずこの件についてはお風呂上がりに話しましょう。シャワー、行ってください。」
「んー…話し合っても俺、譲らないよ?」
「私だって譲らないですよ!」
「譲んないんだ。面白いね。」
ふふと笑って、二階堂はバスルームに消えていく。その背を見送って、怜花はソファに腰を下ろす。一度はぁ、とため息をついたがそんなことをしている暇はなかったということを思い出し、すぐさま自分のカバンからドライヤーを取り出し、慌てて髪を乾かした。
「ありがとうございました。」
「おー怜花ちゃんも家だとスウェット派?」
「まぁパジャマもありますけど、そっちは今朝まで着てましたし洗ってないので。」
「え、洗う?」
「人様のお家に泊まらせてもらうのに、洗ってないものはちょっと失礼かなと思って。」
「うわー真面目。そんなの気にしなくていいのに。でもスウェットもちょっと意外。そういうのも着るんだ。」
「楽ですしね。家でまで気張った格好はしないです。」
怜花がそう言うと、二階堂はすっと立ち上がった。
「うん。楽にしてて。あ、ドライヤー使う?」
「持ってきました。リビングで使っちゃって大丈夫ですか?」
「うん。ってか用意がいいね~何かと。」
「そうですね。あれもいるかなって色々考えて、荷物が多くなっちゃうタイプかもしれません。」
「行き当たりばったりの俺と真逆だー。」
はは、と軽く笑ってくれる二階堂が出す空気に救われている。それはきっと、ずっと、最初からそうだ。
「じゃ、眠くなったらあっちの部屋、ベッドあるから寝ててもいいよ。」
「…待ってください。あの部屋は二階堂さんの寝室ですよね。」
「うん。」
「二階堂さんが言ったことを守るタイプだというのはわかっています。二階堂さん、どこで寝るつもりですか?」
「え、ここ?」
ここはリビングである。確かにソファは大きいので眠れるだろうがそれはおかしい。
「いや、待ってください。ソファは私で、二階堂さんがいつも通り寝室です。」
「えー無理無理。女の子ソファに転がして自分がベッド?ありえないでしょ。」
「あり得ます!とりあえずこの件についてはお風呂上がりに話しましょう。シャワー、行ってください。」
「んー…話し合っても俺、譲らないよ?」
「私だって譲らないですよ!」
「譲んないんだ。面白いね。」
ふふと笑って、二階堂はバスルームに消えていく。その背を見送って、怜花はソファに腰を下ろす。一度はぁ、とため息をついたがそんなことをしている暇はなかったということを思い出し、すぐさま自分のカバンからドライヤーを取り出し、慌てて髪を乾かした。